NISAのデメリットは?
始める前に知っておきたい7つの注意点
NISAの紹介は、いいことばかりが目立ちます。でも始める前に知っておくべきデメリットや注意点も、ちゃんとあります。金融機関では強調されにくい部分こそ、先に。正直に、7つ挙げます。
最大のデメリットは元本保証がないこと。加えて、損をしても損益通算・繰越控除が使えない、非課税の恩恵は利益が出て初めて、短期売買に不向き、といった制度上の注意があります。ただし、どれも「性質」を知っていれば付き合えるもの。知った上で、自分で選ぶための記事です。
① 元本保証がない(これが最大のデメリット)
NISA口座で買うのは投資信託や株式なので、値下がりすれば資産は減ります。預金とはまったく別物です。「NISA=安全」と聞こえる紹介もありますが、安全なのは「税金の面で優遇される」という意味であって、投資のリスクは1ミリも消えていません。ここを曖昧にしたまま始めると、最初の下落で心が折れます。
② 損をしても、税金上の「救済」が使えない
通常の課税口座では、損失が出た場合に他の利益と相殺する「損益通算」や、損失を翌年以降に持ち越す「繰越控除」という仕組みが使えます。NISA口座の損失はこの両方が使えません。NISAの損は、税金の世界では「なかったこと」になる——利益が非課税である代わりに、損失も救済されない。これは制度上はっきりしたデメリットです。
③ 非課税のメリットは「利益が出て初めて」生まれる
NISAの魅力は利益への税金(約20%)がゼロになること。裏を返せば、利益が出なければ何のメリットもありません。「NISAだからお得」なのではなく、「利益が出たときにお得」。この順番は誤解されがちです。
④ 短期売買には向かない設計
NISAの枠は、売却してもすぐには戻りません。復活するのは翌年、しかも買った時の金額ベースです。頻繁に売り買いすると非課税の枠をどんどん消費してしまう——制度そのものが「長期でじっくり」向けに設計されています。短期トレードがしたい人には不向きです。
⑤ 選べる商品に制限がある
特につみたて投資枠は、国の基準を満たした投資信託だけが対象。個別株や一部の商品は買えません。もっとも、これは初心者にとっては「選択肢が絞られていて選びやすい」という利点の裏返しでもあります。
⑥ 「いつでも引き出せる」が、油断にもなる
これは制度ではなく心理面のデメリットです。iDeCoと違って強制力がないぶん、下落が怖くなって途中でやめる・使ってしまうことが簡単にできてしまう。長期投資の最大の敵は相場ではなく自分、という言葉がありますが、NISAの自由さはその敵に付け入る隙を与えます。
⑦ 元本割れの期間に、耐える必要がある
長期・分散でも、短い期間で見れば元本割れは普通に起きます。私自身、始めて2か月目はほぼ横ばい、そして半年目には歴代5位と言われた急落も経験しました。「いつか戻るとしても、マイナスの画面を何か月も見続けられるか」——これは事前に想像しておく価値があります。
じゃあ、どう付き合うか
ここまでのデメリットは、実はすべて「性質」であって「欠陥」ではありません。元本保証がないから長期・分散で時間を味方につける。損益通算がないから余裕資金でやる。短期に向かないから最初から長期のつもりで。——つまり処方箋は昔から同じで、生活防衛資金を先に確保して、なくなっても生活が揺れない額で、長く続けることです。デメリットを知った上でなら、NISAは20代にとって有力な選択肢だと私は思っています。それでも合わないと感じたら、やらないのも立派な判断です。